どうもこんにちは、黒ねずみです。
2年前に買ったばかりのマンションを置いて香港に赴任してきました。
まだ住宅ローンががっつり残っているのでとても不安でしたが、ようやく空けていた家に入ってくれる人が見つかりました。
海外や地方に赴任になった場合、残った家を売るか賃貸に出すか迷いますよね。
僕の場合は賃貸として出すことにして入居者が付いた訳ですが本当に運が良かったと思います。
とういことで今回はマンションを売却ではなく賃貸に出した理由と、海外赴任時に必要な手続きについて書いていこうと思います。これから赴任を控えている方はぜひ参考にしてください。
売却ではなく賃貸にした理由
一番の理由は名残惜しかったからです。
2年前に買ったばかりですからね。将来的にはこの家に戻りたいなと思いましたし、子供も日本に戻ったらこの家に住みたがっていたので、基本残す方向で考え始めました。
その前提で近隣地域の似たマンションの賃料相場をSUUMOで調べました。
そこで自分の住宅ローンの毎月の返済額と比較、ちゃんと貸せれば賃料でしっかり返済でき、お釣りもかなり来そうだったのでいけるなと思いました。
所有物件を賃貸に出す際にまず必要なこと
まずは不動産仲介会社に連絡を取りましょう。
僕の場合はよく連絡してきていた野村不動産の営業担当の方から賃貸仲介会社を紹介してもらいました。
これをしないと何も始まりません。
不動産管理会社とのやりとりを時系列で
次に不動産管理会社とコンタクトを取った後のやりとりを時系列で記載していきます。
まずは内見のためのアポイント調整をしましょう。
家の中を見る必要があるので場所は自宅になります。
内見時は以下のことを実施します。
所要時間はだいたい1時間くらいです。
- 家の中を内見し、傷の状態や汚れなど修理する必要があるかどうかチェック
- 賃貸仲介・管理としてどのようなサービスを提供するのか等の説明
- 想定賃料の試算結果を持ってくるので、それをもとに普通借家or定期借家のどちらで貸すか、賃料はどの程度にするか打ち合わせ
メールで細かい事項のやりとりをします。管理会社から色々と要求され、主な内容は以下の通りです。
- 家の鍵のメーカー
- 振込先となる銀行口座の番号
- 家の退去日
- 次回打合せのアポイント日程 etc…..
管理会社が契約書のドラフトを作成し、その内容説明を受けます。
その後製本したものが送付されてくるので印鑑を捺して返送します。
このときに仲介サイトに出す賃料も決定します(後から変更することも可能です)。
退去日に鍵を引渡します。
その時部屋は空っぽになっていると思うので、部屋の中の傷など最終チェックをします。
ここから先のやりとりはメールだけでも可能なので、出国してしまってまずいことはありません。
SUUMOなどの不動産仲介サイトに掲載されます。
申込などがあれば都度管理会社から連絡が来て、その申込を受けるかどうか自分で決めます。
部屋のクリーニングが行われ、費用請求されます。
うちの場合は壁に一部へこみがあり、壁紙を一部張替え1万円余計にかかってしまいました。
クリーニングは10万円で合計11万円でした。
管理会社に申込があれば連絡が来ます。申込を承諾すると管理会社が申込者と手続きを始めます。
入居者の情報は住所、家族情報、勤務先、転居の理由など細かく情報開示されるので、自分でもある程度属性や考え方など把握することができます。
まず入居者が管理会社に初月の日割り家賃と敷金、礼金を支払います。
その後、手数料や費用が引かれた残りが管理会社から自分の口座に支払われます。僕の場合は管理会社への仲介手数料=礼金だったので礼金分はまるまる取られました。
普通借家 or 定期借家のどちらで貸すか
管理会社と話を進めていく中で普通借家と定期借家のどちらで貸すか決める必要があります。
2つの違いはこちらのブログに詳しく記載してあったので参考にしてください。
僕は最終的に普通借家で貸しました。
一番の大きな理由は定期借家で貸すと普通借家と比べて賃料が8割程度になってしまうためです。
当たり前といえば当たり前で、例えば2年限定でしか住めないとなるとそもそも選択肢に入れない方がかなり増えますよね。
また例えば赴任期間が4年で定期借家機関も4年に設定したと仮定して、入居者が3年で出てしまうと残り1年だけ入る入居者をまた探す必要があります。ただ1年限定だと入居者が見つかる可能性はかなり低くなってしまうような気がしました。
僕が日本に帰任する際、入居者に出ていく意思がなければ僕は元の家には戻れないことになります。ですのでその辺のリスクは承知の上で基本的に帰れなくてもいいやと思って普通借家で貸しました。
そのほか海外赴任までにやっておくこと
所有している不動産を賃貸に出すために必要なのは不動産管理会社とのやりとりだけではありません。
僕がやった他に必要な手続きは以下の5点です。
①住宅ローンが継続可能か確認
基本的に住宅ローンは、借り手が家に住むことが条件となっています。
ですので海外赴任によって自宅に住まなくなる場合、住宅ローンが継続できるかどうかかならず借入をしている銀行に確認しましょう。
僕は住信SBIネット銀行で借入をしていますが、海外赴任により住めなくなる場合は住宅ローンの継続はOKでした。
また普通借家か定期借家によってその判断が変わるかどうかも確認しました。
(普通借家だと元の家に戻るつもりがないと捉えられかねないと思ったからです。)
回答としては普通借家であれば住宅ローンを継続できない等の決まりはなく、家に住めない状況を都度個別判断するとのことでした。
ちなみに住宅ローンを継続できない場合は一括返済してもらうことになるとのことでした。
②借入れしている銀行口座を非居住者口座へ変更
返済口座を非居住者口座に変更する必要があります。
これは基本的には借入銀行の口座になっているはずなので、住宅ローン継続可否を確認した流れで、手続きをすればOKです。
住信SBIネット銀行では書面による手続きになり、必要書類を送ってもらいました。
また手続き完了のためには在留証明書が必要になりますが、これは海外赴任後でないと手に入りません。ですのでイメージとして出国までに非居住者口座への変更手続きを行い、赴任後に在留証明を取得→借入している銀行に送付して手続きが完了する流れです。
時間がかかる上に面倒くさいですが忘れないようにしましょう。
③住宅ローン控除に関する手続き
家族全員で海外に転居すると住宅ローン控除は受けられません。
これは住宅ローン控除を受ける要件として自宅に居住している必要があるためです。
では海外赴任から戻った後は再び住宅ローン控除を受けられるのでしょうか?
実は何もせずに赴任してしまうと帰国後に住宅ローン控除を再開することはできません。赴任前に以下の書類を税務署に提出する必要があります。
- 転任等の命令等により居住しないこととなる旨の届出書
- 年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書(税務署から交付を受けた未使用分)
例えば住宅ローン控除期間が10年で、既に2年分住宅ローン控除を受け、4年間海外赴任する場合は、日本に帰国したのち4年間住宅ローン控除が適用されます。
非常に重要な手続きなので忘れないようにしましょう。
④納税管理人の設定
不動産賃貸によって得られる収入には税金がかかります。ですので1年に一度確定申告を行う必要があります。ですが非居住者は自分で確定申告をすることが出来なくなっており、代わりに納税代理人に確定申告をしてもらう必要があります。
税務署に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出する必要があります。
提出する税務署は賃貸不動産がある税務署です。僕の場合は板橋にマンションがあるので板橋税務署に提出します。納税管理人が板橋に住んでいる必要はありません。
こちらも必ず必要な手続きになりますので面倒ですが必ず赴任前にやっておきましょう。
⑤固定資産税の口座振替手続き
こちらは既に設定されている方も多いと思いますが、不動産の固定資産税の支払いを口座振替にしておきましょう。海外に住んでいると請求書を受け取れないためです。
口座振替の設定はこちらから行うことが可能です。
ちなみにクレジットカードでも支払うことは可能ですが、毎年自動的に支払うことができません。忘れる可能性があるので口座振替がお勧めです。
海外赴任後にやるべきこと
所有不動産を賃貸に出す手続きで必要なものはほとんど出国前にやっておく必要がありますが、以下のものは出国後に行う必要があります。
海外での住所や現地の住民番号などを銀行へ通知
銀行口座の非居住者手続き及び海外赴任中の住宅ローン継続手続きの中で在留証明書が必要になります。
住む場所が決まった後、日本総領事館に行って在留証明書をもらいましょう。
住信SBIネット銀行で手続きする中で期限のようなものはありませんでしたが、放置すると忘れてしまうので住所が決まったら早めに手続きしてしまいましょう。
まとめ
海外赴任で時間がない中、マンションの賃貸についての手続きをするのは本当に大変です。
僕もこんなにやることが多いなんて思っていなかったので泣きそうになりながらやりました。
手続きを完璧にしてかつ入居者が見つかったとしても、その後の空室リスクや災害リスク、または家で事件が起こって物件価値が落ちてしまう可能性はずっと付きまといます。
このあたりのことが面倒くさすぎる!という方は売ってしまうのもひとつの手だと思います。
色々迷った末、賃貸に出すことを決断された方はぜひ参考にしてください。
ではまた!